お絵かきブログ/絵を描いて見えたもの

何かをつくったり、アートに触れたりする楽しさを、共有できたらもっと素敵。

ゴールデンカムイの話

さて!ちょこちょこモルフォ人体デッサンをしつつ、前回お話しした頼まれごとをやりつつ過ごしています。8月は子供たちが風邪で熱を出し、それがお盆の時期に私にうつり、お盆かつコロナ禍という事もあって病院の予約が全く取れず、一週間寝込んだ後、自力で回復しました。

 

今日から9月!気分を変えて楽しい日々にしていきたいですね。

 

 

色々アート関連の記事のネタも溜まってきているのですが、

今日はですね、漫画の話をします。させて。お願い。

 

ゴールデンカムイ全巻読みました。

アイヌの文化を描きながら、埋蔵された黄金を見つけるために、刺青の彫られた囚人たちを追うという要素モリモリの漫画です。

夫がちょこちょこ勧めてくれていたんだけれど、ちょっとグロいしな〜と思って少々嫌厭していたのですが、読んでみたらすごい面白くて一気読みしてしまいました。

 

ネタバレあるので嫌な人はここから先読まないでください。

 

 

 

すんごい面白くてね…面白かった分ね…最後に主要キャラがバンバン死んだロス感もハンパなくて、メンタルがやばいよ!!

牛山先生の死に様カッコよすぎだろ…カッコよすぎてもう何も言えんわ…。

中でも特に尾形の死に方がこたえました。彼の人生考えたらこの死に方しかなかったと思うのでさすが作者様だけど、悲しかった。。

尾形は端的に言うと、男に捨てられた母が狂っちゃったんで愛をもらえずに少年時代を過ごし、結局母を殺し、慕ってくれた異母弟も戦場で殺し、なんやかんやで父を殺し、主人公を殺しかけ、ヒロインも殺しかけたやばい人です。でも人気キャラだったみたいですね。

そんな彼ですが、母を殺したのは自分を愛して欲しかったからです。

戻ってこない父のことしか見えていない母。父が戻ってくれば母も自分を愛してくれるかもしれない。でも父は葬式でもなければ母に会いにこないだろう。

だから母を殺す。でも父は葬式にも来なかった。

母を殺したのはなんだったのか?愛されない苦しさと罪悪感を直視しないようにするため、「自分は愛されず祝福されずに生まれてきた「欠けた人間」だから人を殺しても罪悪感なんてわかない」と思い込むことにした。そうやってなんとか自分を保って生きてきた人だったのだと思う。

だからこその狂人ムーブ。自分を保つために「欠けた人間であり続けるための道」を歩き続けてしまう。

でも最期、自分の中の罪悪感に気づき、自分が欠けた人間ではなく欠けた人間が歩む道を進もうとしていただけだとわかってしまいそうになり耐えらせず自害。

辛い。。。(泣)自分の頭の中で、自分が殺した弟の亡霊に、自分が一番言って欲しかった「兄様は祝福されて生まれてきた」って言葉を言わせるの、辛い(泣)

 

最終話でヴァシリが山猫の絵(尾形の死を描いた絵)を生涯大切に持ってたっていう下りで少しだけ救われた。

好敵手だったヴァシリが敬意を示してくれたことと、その絵が有名になって多くの人に見られることで、自分のことを見て欲しかった尾形は救われるねっていうファンの声をいくつか見ました。わかる。

あと個人的には間違った人生を受け止めてくれる人がいたって事がよかったと思いました。尾形は死ぬ直前、自分の中の罪悪感を認めたら今までやってきたことが全部間違いだったことになる!って恐怖を感じたんですが、ヴァシリはその間違いだったかもしれない人生で出会って、その間違いだったかもしれない人生に敬意を払ってくれたんですよね。

尾形の人生は間違いだけじゃなかったよって感じられて救われました、私が。

臭い匂いを嗅いでフレーメン現象の顔になる尾形が私は好きだったよ。

 

この悲しみ、書いてお焚き上げです!

 

 

 

 

感情移入しすぎて落ち込んだので、今は入間くん読んでます(笑)

入間くんは平和でいいね。作者がウルトラハッピーな物語にするって言ってるだけあって読むと明るい気持ちになる。

ファンタジーで誰も死ぬことなくちゃんと面白いのは素晴らしい。

あと作者はギャップの名手ですね。ギャップづかいでキャラクターを魅せるのがうまい。

 

 

とりとめのない感じになったけれど本日はこれにておしまい。