お絵かきブログ/絵を描いて見えたもの

何かをつくったり、アートに触れたりする楽しさを、共有できたらもっと素敵。

夏の音色

9月になりました。

まだ秋になったような気はしませんが、スーパーで秋刀魚が並んでいるのを見て夏が終わろうとしていることに気づかされます。

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貝殻を耳にあてると波の音が聞こえる、そう教えてもらって、子どもの頃はよく拾った貝殻を耳にあてていました。

小さくザーーーーーーと音が聞こえて、「ほんとだ!聞こえるよお母さん!お父さん!」とはしゃぎながら両親に報告したことを覚えています。

 

でもこれ、手をあてても聞こえるんですよね。

大人になるにつれて現実を知ってしまいましたが、それでもやっぱり貝殻で聞くと情緒を感じて心地よいような気がします。

 

 

今は貝殻を拾ってもあまり耳にあてたりはしません。

理由は手をあてても聞こえるからではなく、とある出来事のせいなのです。

 

私がまだ小学生の頃、家族旅行で海に遊びに行った時のことでした。

私は浜辺で貝殻を拾い、いつものようにその拾った貝殻を耳にあてて波の音をきいていました。

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しかしそこでひとつ、何か違和感を感じます。

なんだろう?

 

 

 

音を聞いていた貝殻を耳から離し、そこに目をやってみると

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貝殻の穴の中から蜘蛛が!!!!!!!!!

(絵がわかりくいことをお詫びします)

 

その瞬間「うあぁっ!!!」と声をあげて貝殻を放り投げました。

私は蜘蛛が大の苦手なのです。昆虫は割と平気な方(むしろ絵に描いたりするのは好きな方)ですが、蜘蛛は本当にダメなのです。まあ蜘蛛って昆虫じゃないし。

 

この出来事以降、貝殻を拾うときは何か中にいるんじゃないかと警戒するようになりました。

耳に当てるのも恐る恐るです。

 

 

 

蜘蛛に罪はないんですけどね。

多分あの時貝殻の中にいた蜘蛛は出入り口を私の耳でふさがれ、困っていたことでしょう。

 

蜘蛛の気持ち↓(想像)

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皆様も貝殻を耳にあてるときはお気をつけて。

憧憬

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「憧憬」という言葉、字面になんだか魅かれる私がいます。

 

漢字辞典をひいてみました。

「憧」=あこがれる。自分の心をむなしくして、ひたすら遠くのものを恋い求める。

うっとりと気をとられる。何も知らず愚かなさま。

「憬」=あこがれる。遠くのすばらしいものを求める。遠くのものに魅かれるほのぼのとした心。さとる。それを知って心の中が明るくなる。

 

 

私にとって「憧憬」という言葉には、

手の届かないうつくしいものでありながら、心の中の奥深く、「わたし」に近い所にある感情のようなイメージがあります。

遠くて近い。近くて遠い。そんなきもち。

 

この間、新海誠監督のアニメ「君の名は。」を見てきたのですが、まさに近くて遠い、なんとも言えない人と心の距離感が描き出された良作でした。かなりおすすめです。

 

話がそれました。

私が「少女」の絵を描くのが好きなのも、個人的に「憧憬」につながるニュアンスを感じられるからだと思っています。

少女の無垢さ、少女特有の世界の見え方の中に「憧憬の心」を感じるのです。

 

少女というモチーフにそういう想いをのせるようになったのも、私が大人になったからなのかな。

うーん、でも子どもの頃は、大人ってもっとしっかりしていると思っていた。子どもの頃抱いていた想像上の大人と同じようになれる日はくるのだろうか。

 

 

来ない気がする。

のだめカンタービレを読んで

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これは過去に描いた絵。音楽好きです。楽器も好きです。

ギターの形がちょっと歪んじゃってますけど(汗

 

最近になって「のだめカンタービレ」を読みました。

実写映画化もされた音大生のラブコメ漫画。

 

なぜ急に今になって読もうと思ったかというと、podcastの「そんない美術の時間」という番組で紹介されていたからです。

陶芸家でもある番組パーソナリティの方が

美大生や音大生の進路がリアル」「いろいろ考えさせられる」

というような話をしていて、それはちょっと面白そうだぞと思ったわけです。

 

美大生といっても芸術家とかデザイナーとかになれる人っていうのは少ないです。違う仕事についたり、バイトしながら作品作りをする(けど金銭的な問題などから結局あきらめて就職したり)っていう人の方が多いです。

そういう意味で、「のだめカンタービレ」は漫画の中の登場人物がみんなきれいに音楽家になれるわけじゃないあたり、リアルさがありました。

 

 

 

コミカルな雰囲気なので楽しく一気に読める一方、主人公である「のだめ」の音楽との向き合い方にはいろいろ考えさせられました。

 

のだめは、もともと楽しく音楽ができればいいと思っていたピアノ科の女の子。音楽とがっつり向き合って苦しんだり、厳しく練習させられるのは大嫌い。

でも才能はある。ものすごくある。

だから周りの人たちは彼女に上を目指させたいと思う。

最初は上を目指すことやその価値観を押し付けてくる人たちに反発していたのだめですが、大好きな千秋先輩との出来事を通して、音楽と真剣に向き合う歓びも少しずつ見つけていくのです。

 

 

読み終えた後、

「私はこれからアートとどう付き合っていこうか」

そんな気持ちでいっぱいになりました。

私は楽しく付き合っていくことを一番にするつもりなのですが、より深くアートと付き合っていきたいという思いもあり・・・。付き合い方、模索中。

描くのもいいし、観るのもいい。イベント参加という手もあるなぁ。

好きな作品や作家さんのことを調べて、ブログで紹介するのも面白そう?

いろいろ夢がひろがります。

どんなかたちにできるかな。

植物画の通信講座を受ける

「植物画(ボタニカルアート)」って知っていますか?

ただ植物を描いた絵ではなく、「植物の形や色が正確に表現された絵」のことをこう呼びます。

 

私は植物が好きなので、いつか植物画の技術を学んでみたいと思っていました。

でもなかなか定期的に教室に通う時間がとれず・・・

 

そこで通信講座を受けてみることに。ちゃんと続けられるかなという不安もありましたが、価格も抑えめなので思い切ってトライ!

 

そこで描き上げた植物画がこちら。

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スプレーバラ

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ドクダミ

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キキョウ

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ポトス

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バラの茎

 

 

「植物の形や色を正確に表現する絵」なので、定規でいちいち長さを測りながら描いています。

ちょっと面倒くさいんですが(笑)、定規で測らずに自分の感覚だけで描くよりも、仕上がりが圧倒的に本物らしくなりました。

わかっているようでわかっていなかった水彩絵具の使い方を学ぶこともでき、自分の中で水彩画の幅が広がったような気がします。

 

 

実は、昔はこうやってただあるものを写す絵があまり好きではありませんでした。「オリジナリティのあるものを描かなきゃだめ!」みたいなオンリーワンへの変なこだわりがあったんです。

でも実際描いてみるとこういう写しとる絵も面白い。

正確に描こう描こうとしていると、今まで気がつかなかったフォルムの面白さとか、エネルギーとか生命力とか、いろんなものが見えてきて、新たな発見に感動したりします。

そしてさらにその作業を続けていると、だんだん無心になってきて、心がスッキリしたような気持ちになる。

精神統一になってるんですかね?

もしかしたら、写経をするとスッキリするというのはこういう感覚なのかもしれません。

 

絵を描くっていうのは自分を救う作業だなと思ったりしています。

 

 

 

 

 

 

最後にお礼を。

 

スターをつけてくれた方々ありがとうございます!

正直初めの方から反応がもらえると思っていなかったので嬉しい限りです。

皆様のブログも見に行かせてもらったのですが、素敵な作品を作っている方や、こまめに丁寧に記事を更新されている方など、刺激がいっぱいでした。「こ、こんな方々が私の記事に反応を・・・!」と恐れ多いやら嬉しいやら、とにかくハッピーな気持ちです。

これからも皆様のブログを楽しく読みに行かせてもらいます!

そして私自身もっと更新頻度をあげたいと思っているのですが、筆が遅く一枚の絵を仕上げるのに時間がかかり、なかなか頻繁には記事を書けないでいます(泣)

ゆっくりペースではありますが、また見に来ていただけると嬉しいです。

夏の花嫁

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友人の結婚式に参加してきました。

友人に渡すメッセージカード用に描いた絵。(日付のところはモザイクかけてます)

色紙に描いているので、写真に撮ったら実物よりも少し暗い感じに写ってしまいました(汗)

 

夏生まれの彼女。ひまわりをイメージしたドレスと着ると聞いていたので、こんな絵を描きました。

 

花嫁さんってきれいですね。

お化粧やドレスの力もあると思いますが、「主役」という役割を与えられていることにも要因があるのではと思っています。

役者さんが舞台にあがるとスイッチが入って華やぐのと同じように、花嫁さんが「主役」を意識して動くこと、周りの人々が花嫁さんを「主役」として扱うことで、人の目を引くエネルギーをまとうのではないかと思うのです。

 

あと結婚式ってその人のいろんな顔が見られて楽しいです。

家族と一緒の時の顔、職場での顔、友人と過ごす時の顔。

それぞれちょっとずつ違っていて、いつもと違う一面を見ることができ、新鮮な気持ちになります。

 

そして何より、友人やその家族の幸せそうな顔を見るともう涙腺がやられます。

お祝儀貧乏になることもありますが(笑)、結婚式っていいものです。

そっと笑顔で

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ピエロさんです。

ピエロを描くのは好きです。

ピエロって動く人形みたいで少し不気味なニュアンスもあると思うんですが(そこがまたいいのですが)、私が描きたいなと思うのは優しいピエロ像です。

 

私がピエロを好きになったきっかけは友人のこんな話を聞いてから。

「ピエロの顔のメイクに涙マークが描かれていることがあるでしょ?あれってピエロの役目は人を笑わせることだから、人前では涙を見せてはいけないってとこからきてるんだって。本当に泣いちゃったらだめだから、先に顔に涙を描いておくの。」

これが本当の話なのかどうかはわかりませんが、私はこの話に心をうたれました。

ピエロのことを、『つらいことがあっても涙をこらえて頑張っている人たちの象徴』のように感じたのです。

 

それ以来すっかりピエロ好き。

 

世の中のピエロみたいに一生懸命な人たちには、心の底から穏やかに笑える日々を過ごしてほしいと思います。

そんな人たちの中に私も含まれてるといいな。

眠り

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爬虫類が好きだ。

つぶらな瞳、するりとしたフォルム、悟ったようにも見えるし、全く何も考えてないようにも見える表情。

好きだ。

蛇とか鰐とか、身の危険を感じる爬虫類は苦手だけれど。

 

動物園の爬虫類・両生類館にいくと、トカゲ、イグアナ、ヘビ、ワニ、カメといった大小様々な爬虫類たちがそれぞれの檻の中でのそのそと動いていた。

檻の中には、動物の生息する環境に似た世界が人工的につくられている。

その中で一匹のトカゲが、あたたかそうなオレンジのライトに照らされて気持ちよさそうに眠っていた。

 

よくペットショップで爬虫類が電気スタンドのような照明に照らされているのを見かける。

爬虫類は寒さに弱いというイメージをもっていた私は、あのライトがあたたかさを保つヒーターのような役割を担っていると思っていたのだが、どうやら違うらしい。

ある種の爬虫類は、日光浴をすることで体内に必要なビタミンを作り出す。

そのため、日光にあたることのできないケージの中の爬虫類が日光エネルギーを補充できるよう、専用の紫外線ライトを照らしているというのだという。

多くの生き物が太陽に依存して生活しているんだなぁとぼんやり思う。

 

自由に日光浴のできない動物園の檻の中のトカゲ。

寝息にあわせておなかのあたりが規則的に小さく動く。

少しの同情心を抱きつつも、その安らかな顔に癒される。

爬虫類はかわいい。

 

ゆっくり、おやすみ。