朝晩の空気がひんやりと涼しくなってきました。虫の音も賑やかな蝉の声から秋の虫たちの合唱に変わってきています。私はこの季節がうつろいでいく時期が好きです。
道端には彼岸花。燃えるような赤が目を惹きます。あの世の花のようで苦手な方もいますが、私はあの独特の形と色と同時期に一斉に咲く姿が好きです。雄しべ雌しべが美しい弧を描いて上へ向くフォルムが繊細な飴細工のようでもあって、作り物のような奇妙な妖艶さを感じるところも魅力的です。
夏、初めて下の子も連れてお墓参りに行きました。コロナ禍もあって今までなかなか遠くのお墓に参ることができていませんでした。
お義母さんは孫がお墓参りをする姿を見て「ご先祖様も喜んでると思うわ」と喜んでいました。
前に読んだ日本文化の本の中に、もともと日本人の人生には四つのステージがあったと書かれていました。生まれてこどもとして過ごす時期、成人し大人として生きる時期、死んで祖霊として扱われる時期、そして神的な存在として世界に帰す時期。これを今の時代に言っていたらオカルト感が出てしましますが、科学がや医学が発展しておらず死がもっと身近であった時代には大切な価値観であったのだろうと思います。
この夏、家族で墓参りをして、ああ、美しい世界観だなと感じました。人の死が単なる生命の終わりではなく、後に生まれた人と人を繋ぎ、世界と関わるものになっていく。
まあ実際問題お墓の管理とか大変だろうから自分の墓を残すかと言われると別問題だなと思ってますけどね。
さて、気分を変えてここで一枚。
線香花火をやってるところ。蝋燭はなくてもよかったな。
ちょっと顔の当たりが滲んで崩れてしまった。際の処理も甘い。
ラフに描き始めたので色々ツッコミどころはあるけれど、全体の雰囲気は気に入っています。
次につながる絵。
顔彩で描きました。今後顔彩もちょこちょこ手を出していきたいなーと思っているんですよね。
ぶっちゃけ顔彩って岩絵具に比べると物足りないし透明水彩に比べるとちょっと濁るし、教本的なものを探しても出てくるのは絵手紙の本か墨彩画の本で、んーどういう位置付け?って感じでした。
でもこの絵を描いて何かを掴んだ気がする!!手軽に扱える日本の伝統的な絵の具なので、もっと可能性を広げていきたいです。