「憧憬」という言葉、字面になんだか魅かれる私がいます。
漢字辞典をひいてみました。
「憧」=あこがれる。自分の心をむなしくして、ひたすら遠くのものを恋い求める。
うっとりと気をとられる。何も知らず愚かなさま。
「憬」=あこがれる。遠くのすばらしいものを求める。遠くのものに魅かれるほのぼのとした心。さとる。それを知って心の中が明るくなる。
私にとって「憧憬」という言葉には、
手の届かないうつくしいものでありながら、心の中の奥深く、「わたし」に近い所にある感情のようなイメージがあります。
遠くて近い。近くて遠い。そんなきもち。
この間、新海誠監督のアニメ「君の名は。」を見てきたのですが、まさに近くて遠い、なんとも言えない人と心の距離感が描き出された良作でした。かなりおすすめです。
話がそれました。
私が「少女」の絵を描くのが好きなのも、個人的に「憧憬」につながるニュアンスを感じられるからだと思っています。
少女の無垢さ、少女特有の世界の見え方の中に「憧憬の心」を感じるのです。
少女というモチーフにそういう想いをのせるようになったのも、私が大人になったからなのかな。
うーん、でも子どもの頃は、大人ってもっとしっかりしていると思っていた。子どもの頃抱いていた想像上の大人と同じようになれる日はくるのだろうか。
来ない気がする。