爬虫類が好きだ。
つぶらな瞳、するりとしたフォルム、悟ったようにも見えるし、全く何も考えてないようにも見える表情。
好きだ。
蛇とか鰐とか、身の危険を感じる爬虫類は苦手だけれど。
動物園の爬虫類・両生類館にいくと、トカゲ、イグアナ、ヘビ、ワニ、カメといった大小様々な爬虫類たちがそれぞれの檻の中でのそのそと動いていた。
檻の中には、動物の生息する環境に似た世界が人工的につくられている。
その中で一匹のトカゲが、あたたかそうなオレンジのライトに照らされて気持ちよさそうに眠っていた。
よくペットショップで爬虫類が電気スタンドのような照明に照らされているのを見かける。
爬虫類は寒さに弱いというイメージをもっていた私は、あのライトがあたたかさを保つヒーターのような役割を担っていると思っていたのだが、どうやら違うらしい。
ある種の爬虫類は、日光浴をすることで体内に必要なビタミンを作り出す。
そのため、日光にあたることのできないケージの中の爬虫類が日光エネルギーを補充できるよう、専用の紫外線ライトを照らしているというのだという。
多くの生き物が太陽に依存して生活しているんだなぁとぼんやり思う。
自由に日光浴のできない動物園の檻の中のトカゲ。
寝息にあわせておなかのあたりが規則的に小さく動く。
少しの同情心を抱きつつも、その安らかな顔に癒される。
爬虫類はかわいい。
ゆっくり、おやすみ。