過去に描いた絵。
「うつりゆくもの」と「その中にあるかわらないもの」に心惹かれます。
「はかないものは美しい」的な感覚に近いかな。
でも、桜はすぐ散ってしまうから儚くて美しい、というのとはちょっと違うんです。
この絵の中にあるモチーフで言うならば、
冬を越せないであろう一匹のちょうちょの中に永遠を感じることもあるし、
堅固に見える鉄やコンクリートでできた大きな工場に儚さを感じることもある。
「それじゃあ何でもありじゃん!」って言われそうですが、実際何でもありですね!(えっ)
その時のシチュエーションや考え方や感情によって、景色の見え方がかわってくることは、多くの人に経験があると思います。
私は、その時々に新たに発見できる「うつりゆくもの」と「かわらないもの」に胸をつかまれるのです。
絵を描き続けていると、そういう自分にとっての胸キュンポイントに敏感になって、世界の見方が楽しくなると思っています。
なぜなら、日々の生活の中で自然と自分の感性に響くようなものを探すようになってくるから。
それが私が絵を描く理由のひとつです。
「あ、このモデルさんきれい!こういう女性の絵を描こう」とか、「今日の夕空はきれいだなー。この色使いを参考にしよう」とか、いろいろなものをよく観察するようになるってこともあると思います。
と、言っている私も、うまく描けない苛立ちを感じて、自分の視界から消し去るように描いたものをゴミ箱へ押し込んだことがあります。
絵の世界で活躍している友人を見て、なんとも言えない息苦しさを感じたりしたこともあります(しかしその友人を応援しているし、活躍が嬉しく、自慢でもある。複雑な嫉妬心だなぁ…)。
そんな風に思い悩むこともありますが、絵を描くことで得られるものがいっぱいあるので、やっぱり描き続けたいと思っているわけです。
絵を描くことを自分のアイデンティティにしたいという思いもあるかな。